2010年8月2日月曜日

顧問弁護士(法律顧問)が扱うテーマ:時間外労働義務

顧問弁護士(法律顧問)がよく問い合わせを受けるテーマをまとめます。

今日は、時間外労働義務についてです。
最高裁は、36協定が締結され、これに基づく時間外労働義務が就業規則に規定されている工場において、時間外労働を拒否した労働者を懲戒解雇した事例において、懲戒解雇は有効であると判断しました。以下は判決文の引用です。

労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)三二条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる三六協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該三六協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、右就業規則の規定の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負うものと解するを相当とする(最高裁昭和四〇年(オ)第一四五号同四三年一二月二五日大法廷判決・民集二二巻一三号三四五九頁,最高裁昭和五八年(オ)第一四〇八号同六一年三月一三日第一小法廷判決・裁判集民事一四七号二三七頁参照)。
3 本件の場合、右にみたように、被上告人の武蔵工場における時間外労働の具体的な内容は本件三六協定によって定められているが、本件三六協定は、被上告人(武蔵工場)が上告人ら労働者に時間外労働を命ずるについて、その時間を限定し、かつ、前記・・・所定の事由を必要としているのであるから、結局、本件就業規則の規定は合理的なものというべきである。なお、右の事由のうち・・・所定の事由は、いささか概括的、網羅的であることは否定できないが、企業が需給関係に即応した生産計画を適正かつ円滑に実施する必要性は同法三六条の予定するところと解される上、原審の認定した被上告人(武蔵工場)の事業の内容、上告人ら労働者の担当する業務、具体的な作業の手順ないし経過等にかんがみると、右の・・・所定の事由が相当性を欠くということはできない。 


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